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2018年12月19日

【防水の下地処理】防水も下地処理が要です

防水の亀裂にも直接漏水に繋がる亀裂、間接的に漏水に繋がる亀裂があるのをご存知ですか?
以前、「2階のテラスがFRP防水で施工してありますが、亀裂が1.5mぐらい2箇所入りました。下地の継目のようです。上からベニヤを2枚重ね貼りして上から防水をやり直すとのことですが、ウレタン防水とFRP防水どちらがよいでしょうか?また工法は問題ないでしょうか?」というご相談がありました。
これは、直接漏水に繋がるケースの亀裂で、防水というより下地が原因と思われます。
防水も他の工事と同様に下地処理が要です。
本ブログでは、この相談に対する回答をご説明します。

 

防水亀裂の発生原因

 


下地の継ぎ目に沿って亀裂が入ったという事は、FRP防水が下地に追従できずに裂けたという事であり、建物の挙動の問題で、防水の施工自体には問題なかったといえます。
ただし、FRP防水は下地の追従には元々強くはないので、施工する前に下地が挙動に強い状態か、確認しておく必要があったといえます。

 

木造建築におけるFRP防水の下地処理とは

 


木造建築におけるFRP防水の下地処理とは、防水下地として平滑にしたり、入り隅・出隅部に面や丸みを付けたり、ドレンを取り付けるといった処理が挙げられますが、こういった処理以上に、下地のチェックが必要になります。

FRP防水下地の主なチェック項目としては
・挙動しない状態になっているか
・濡れていないか(乾燥しているか)
・平滑になっているか
・出隅・入り隅は面が取られているか
・ドレンは低い位置(水が溜まらない位置)に設置されているか

などが挙げられます

 

床下地は二重のりゃんこ張りが基本です

 

りゃんこ張り

挙動しない状態にするために、FRP防水下地として、12mm以上のコンパネもしくはコンパネとケイ酸カルシウム板の2重張りで、尚且つ、りゃんこ貼りが基本です。
りゃんこ張りとは、力が分散するように、床板の継手位置を交互に変えることをいいます。
見た目ではりゃんこ張りは確認できないので、大工さんに確認します。
また、歩いたり踏んだ感覚で2重張りか否かを確認すると共に、継ぎ手が動くようなら釘やビスを増し打ちして挙動を抑えます。

ここまでしてようやく挙動のチェックを行ったと言えます。
ですので、相談者の対処法として
「上からベニヤを2枚重ね貼りして」とありますので、りゃんこ張りで施工の後、挙動の無いように固定されているか、釘やビスの間隔は広くないかを確認することで、防水の下地ができたと言えます。

 

 

防水の種類や工法について

また、「ウレタン防水とFRP防水どちらがよいでしょうか?また工法は問題ないでしょうか?」いう事ですが、下地がしっかりしていれば、ウレタン・FRPどちらの防水でも大丈夫ですが、既存がFRP防水ということであれば、FRP防水をお勧めします。
工法についても密着工法・絶縁工法ありますが、下地の挙動を抑え、しっかりした下地の状態が整っているのであれば、テラスという場所柄、歩行しやすい密着工法が良いのではないかと思います。

 

防水亀裂が入らない下地処理を施工し再度防水を

今回のケースの回答としては、既存防水の上に再度FRP防水では、挙動が抑えられていないため、繰り返し亀裂が入る恐れがありますが、下地の合板を上から張るとの事でしたので、挙動のチェックを含めた下地処理を行い、FRP防水を再施工することを提案しました。下地の追従に弱いFRP防水。防水の施工のみならず、下地の処理・下地の状態のチェックも含めて防水工事だと認識し、挙動しないように自分で補強を行ったり、時には大工さんに補強をお願いし、折角、完璧に行った防水施工が漏水に繋がらないよう心がけましょう。

 

 

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