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2018年12月12日

防水改修工事の選定方法 ~種類・特徴の違い~

防水改修工事の選定方法ってどのように決めているか知っていますか?
以前、防水改修工事にも色んな種類があるそうですが、どういう視点で選べばいいのでしょうか?
用途と特徴、持ち、お値段など教えていただけませんでしょうか?
というご相談をいただきました。

本ブログでは、いろいろな防水改修方法やそれぞれの特徴についてご説明いたします。

 

 

 

 

防水の種類・寿命・金額について

主な防水の種類は次の通りです。
それぞれの防水の平均的な価格帯の安価な順に記載してあります。
ウレタン防水
合成ゴムシート防水
アスファルト防水
塩ビシート防水
FRP防水
金属防水

 

下記にそれぞれの特徴を記載してありますが、下地に追従する柔軟性のある防水は、経年劣化により、柔軟性が失われるため、トップコートの塗り替えによる延命の後、改修工事が必要となるものが多いです。

 

・ウレタン防水の特徴

ウレタン防水は、露出仕上げで厚みを有することで歩行も可能です。非常に柔らかい為、重量物の設置は難しいです。熱に弱く、火花で穴が開く恐れがあります。10年後にトップコートを塗り替えることで寿命を延ばすことは出来ますが、経年劣化により、ウレタン樹脂が固くなるため、改修工事が必要になります。

 

 

・合成ゴムシート防水の特徴

合成ゴムシート防水は、柔らかく下地の動きに対しての適応性があります。厚みが薄いため鳥のついばみ等で損傷を受けたり、表面の歩行に適しません。また、シートや接着剤が劣化すると寒暖による収縮に追従出来ず、下地と剥離してくることがあります。

 

 

 

・アスファルト防水の特徴

歴史があり、複層の防水層を形成するため防水性能は高いです。しかしながら、歩行や普段使いには向かず、また、作業に熟練を要します。炎、臭気を発生する欠点があります。露出工法の場合、トップコートを塗り替えることで延命出来ますが、寒暖を繰り返すことでアスファルトが固くなり下地に追従出来なくなるため、改修工事が必要になります。

 

 

 

・塩化ビニルシート防水の特徴

接合強度が強く、表面の軽歩行が可能です。合成ゴムシートに比べ、シート自体の強度・耐侯性が強いため、露出工法でも歩行が可能です。

 

・FRP防水の特徴

FRP防水は、薄くて軽いものの露出仕上げでも十分歩行が可能です。薬品や熱に強いのも特徴の1つです。非常に硬く、下地への接着力が強いため下地の動きに追従できない欠点もあります。10年ごとにトップコートを塗り替えることで寿命を延ばすことができます。

・金属防水の特徴

軽量かつ強靭で耐食性・耐候性に優れていることが特長です。 金属防水は、揺れや、地震に強くメンテナンスが必要でないことから木造住宅バルコニーや屋上などの防水として多く使用されていましたが、他の防水と違いジョイント部分より水の侵入の恐れがあるため水をためることができません。従ってある程度急な勾配が必要とされます。

 

防水ごとのメンテナンス・改修工事方法

トップコートの塗り替え例

 

密着工法例(ウレタン)

 

 

 

かぶせ工法(機械固定)の例

 

・ウレタン防水

 メンテナンスの場合
トップコートの塗り替え
もしくは、ウレタン樹脂塗布後のトップコートの塗り変え

 改修工事の場合
ウレタン防水の密着工法
専用シートをディスクで下地に固定し、ウレタン防水で仕上げる複合工法

 

 

・合成ゴムシート防水

 メンテナンスの場合
トップコートの塗り替え

 改修工事の場合
既存合成ゴムシート防水を撤去し、再度合成ゴムシート防水を施工する
既存合成ゴムシート防水の上に再度合成ゴムシート防水を施工する
専用シートをディスクで下地に固定し、塩ビシート防水で仕上げる

 

 

・アスファルト防水

 メンテナンスの場合
トップコートの塗り替え

 改修工事の場合
既存アスファルト防水を撤去し、再度アスファルト防水を施工する
既存アスファルト防水の上に再度アスファルト防水を施工する

 

 

・塩ビシート防水

 メンテナンスの場合
トップコートの塗り替え

 改修工事の場合
専用ディスクで下地に機械固定し、塩ビシート防水で仕上げる

 

 

・FRP防水

 メンテナンスの場合
トップコートの塗り替え
もしくは中塗り後、トップコートの塗り変え

 改修工事の場合
FRP防水の密着工法
FRPシートを接着剤で下地に固定し、FRP防水で仕上げる
専用自着シート貼り付け後、FRP防水で仕上げる

 

 

 

 

以上、一般的なメンテナンス・改修工事方法について説明させていただきました。

 

 

 

まとめ

もちろん、これ以外にも防水メーカー独自の改修方法もございます。
また、全面接着工法以外の“かぶせ工法”での改修工事は既存防水の種類に関係なく、異種防水でも施工が可能です。

基本的に、施工単価の安価ものは寿命が短く、短い周期で改修工事が必要になり、施工単価の高価なものは、メンテナンスによって寿命が延びたり、改修工事の周期が長くなる傾向にあるようです。

 

 

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